景 – vue

グアリノ アキ

写真や映像技術の発展に伴い、しばし今日、絵画のあり方を問われるが、絵画の大きなジャンルである風景画に取り組んでいる。長く海外に居住し、4年前に戻ってきて衝撃的だったのが、日本の自然災害の多さだ。地震、津波、大雨、大雪、台風、火山噴火など至る所で発生する災害。一瞬にして、積み重ねてきた時間を破壊する猛威に、この大自然の中で、人間とは何とちっぽけな存在なのだと感じる。そんな自然災害をテーマとし、タイトルの「景」は「景色」、「見渡される地上のありさま」である。

マスメディアを通して集合的記憶と化した映像、すなわち実際にその場を体験したわけではないが、しばし上空から撮影され、報道され、多くの人が衝撃として記憶の片隅に保持するイメージを「想起」させる意図を込めている。